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スタッフブログ

さくら・はるねクリニック銀座 培養室です。
今回は、AMH値と実際の採卵で得られる卵子の個数(採卵個数)についてデータをお示しできればと思います。
また、AMH値だけでなく女性の年齢も採卵個数に影響しますので、女性年齢と採卵個数についても合わせてお示しします。
抗ミューラー管ホルモン(AMH: Anti-Mullerian hormone)
抗ミューラー管ホルモン(AMH)とは、発育過程にある卵胞の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンで、女性の卵胞予備能の指標となるとされています。
卵巣にある残りの卵子数と相関するため、卵子の在庫数が予測できるホルモン検査となっています。
AMH値は年齢とともに徐々に減少していきますが、若齢で低い方もいれば高齢で高い方もいます。
一方で、「卵子の質の指標とはならない」点に注意が必要です。
下記は、日本国内の女性の年齢とAMHの値の変化を示したグラフです。
年齢が上昇するごとにAMHの中央値が低下していくのがお分かりいただけるかと思います。
(引用:山本ら 日本生殖医学会雑誌 61. 487. 2016)
AMH値と平均採卵個数
当院では、できるだけ採卵個数を多くとるために高刺激(PPOS法やアンタゴニスト法)をメインとした卵巣刺激を実施しております。
卵巣刺激では、超音波で診る卵巣の胞状卵胞数(AFC)とAMHの値を指標に、刺激方法の選択や採卵数を予測します。
下記のグラフは、当院で昨年までに採卵を実施した約1000症例を対象に、AMHと採取できた卵子の平均個数を示しています。

AMH値と平均採卵個数
AMHの値が高くなるにつれて、平均採卵個数が増えていくのがお分かりいただけるかと思います。
一般的に、AMHが1.0ng/mLを下回ると、卵巣予備能が低下していることが予測されますが、
当院ではAMH1.0ng/mL以下の症例であっても、平均3-6個程度は採卵することができています。
女性年齢と平均採卵個数
AMH値が女性年齢で低下していくように、女性の年齢が高くなるにつれて体内の卵子数が減少し、採卵個数も減っていきます。
下記のグラフは、当院で昨年までに採卵を実施した約1000症例を対象に、女性年齢と採取できた卵子の平均個数を示しています。

女性年齢と平均採卵個数
女性の年齢が高くなるにつれて、平均採卵個数が減少していくのがおわかりいただけるかと思います。
40歳を境に、採卵個数の減少が著しくなっており、当院でも一般的に報告されているデータと同様でした。
終わりに
女性の体内の卵子の数は、増えることはありません。
年齢の増加やAMHの減少により、卵子の数が減少してしまうと症例妊娠できる確率が低下してしまう可能性があります。
ご自身のAMH値を知ることは、不妊治療を実施する際はもちろん。これから妊娠を検討している女性や将来の妊娠に備える卵子凍結を検討される女性にとっても重要な指標となります。
当院では、ブライダルチェックやプレコンセプションケアのための検査を実施することができます。
また、卵子凍結も近隣施設よりも安価に実施できるパックプランをご用意しております。
是非一度、お気軽にご来院ください。
さくら・はるねクリニック銀座
培養室