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[宮本院長監修] 患者様からのよくあるご質問 その2

患者様からのよくあるご質問 その2

Q11. 初診の時に肝機能や腎機能、糖尿病など不妊症と直接関係がないような気がする血液検査を行うのは何故ですか?また来院したら血圧を測定するように言われるのですがどうしてでしょうか?1日も早く不妊治療を開始したいです。

A11. 私はこれまで、大学病院に勤務しておりました。大学病院には様々な合併症を持ったハイリスクな妊婦さんが紹介されてくるのですが、元来健康であったものの、妊娠継続と同時に疾患を発症したり、外傷を負った患者様はやむを得ないことであり、そのようなハイリスクな妊婦さんを大学病院でフォローするのは大学病院の役割から当然のことと思っておりました。しかしながら、ときに不妊治療専門の施設からこの患者さんは元々基礎疾患があり、今すぐには妊娠してはいけない患者様や、もっと言えば不妊治療前に全く検査もせずに不妊治療を開始して妊娠が成立し、その後大変な状態であることに気付いて大急ぎで大学病院に紹介する不妊症専門クリニックも少なからず存在します。当院の目的は闇雲に妊娠を目指すのでは無く、妊娠した患者様が無事に元気な赤ちゃんを産むことがゴールだと思っております。よって治療開始前にこの患者様は本当に不妊治療を開始して良いのか?内科的な治療が必要ないのかどうかを見極めてから不妊治療をスタートすることにしております。

 

Q12. 今まで病院に行かず夫婦で排卵日にタイミングを取って妊活してきました。先日、貴院で妊娠した友人から排卵日に合わせて性交渉するのはあまり効果的ではないと言われましたが、本当でしょうか?

A12. 結論から言いますとその通りです。妊娠成立が最も高い性交のタイミングは排卵日の1~2日前です。排卵後は妊娠率が著明に低下することが既にわかっています。

 

Q13. 妊娠を希望していますが、元々生理痛が酷かったのですが半年前から性交痛も酷くなって性交渉が全く出来ません。当たり前の質問ですが、性交出来なければ妊娠出来ないですよね?

A13.  性交障害があってタイミング法が出来ないのであれば人工授精を行って妊娠を目指すことは可能であり、実際そのような患者様も少なからずおり妊娠に至っている患者様も珍しくありません。ただし、月経困難症の原因が重症子宮内膜症である場合、人工授精の妊娠率は通常よりも明らかに低くなってしまいます。これは子宮内膜症組織のある骨盤内環境が精子や卵子に悪影響し、受精障害や精子運動障害などの一般不妊治療では解決不可能な不妊原因が存在する事が考えられるためです。このような場合は積極的に体外受精(ART)を行い早期の妊娠を目指し、いたずらに時間をロスしないことが優先されます。

 

Q14. 貴院では、卵は全てタイムラプスインキュベーターで培養していると伺いましたが、そもそもタイムラプスとはどういうものなのでしょうか?

A14.タイムラプスインキュベーターとは、受精卵を培養するためのインキュベーターという機器と、受精卵を観察するための顕微鏡とカメラが一体となった機器です。タイムラプスインキュベーター内で胚を培養することで、発育する胚を継続的にモニタ-することができ、多くの形態学的な胚の情報を取得できるとともに、胚の培養環境の改善が得られ体外受精による妊娠率、出生率の向上が期待されます。こちらの使用は、国が定めた先進医療Aに認定されており、当院では、全ての胚をタイムラプスインキュベータにて培養しています。

 

Q15.妊娠率を上げるのに高濃度ヒアルロン酸含有培養液というのが良いと聞きましたが、そもそもこれはどういったもので、どのようなときに使用するのでしょうか?

A15.胚移植を行う際、子宮内への胚の着床を補助するための付着性化合物を含む胚移植培養液の使用に関してこれまで数多くの検討がなされてきました。その結果、現在最も有効と考えられているのがヒアルロン酸を高濃度に含む培養液です。ヒアルロン酸とは自然に存在する高分子物質の1つであり、そもそもヒトの卵胞液中や子宮内膜にも存在するため人体に対する影響はありません。胚移植用培地に付着性化合物として高濃度ヒアルロン酸を加えることで妊娠率と出生率が向上することがすでに判明しており、2022年4月から体外受精が保険適用になると同時に保険診療として認められました。ただし、自費診療の場合を除いてこの高濃度ヒアルロン酸含有培養液の使用は、1回目の胚移植が不成功に終った2回目の胚移植からとなります。

 

Q16.現在36歳です。結婚してもう8年になりました。今まで2つのクリニックで体外受精を合計8回行いましたが一度も妊娠しませんでした。主人も私ももう疲れてきってしまってもう2度と失敗したくありません。一番妊娠の確率が高い方法を教えて下さい。それでも駄目だったらもう諦めます。

A16.体外受精を2回連続して妊娠しなかった患者様や2回流産した患者様は、体外受精を行って、胚を5日間培養して胚盤胞へ育ったら、将来赤ちゃんになる部分には触れずに、将来胎盤になる細胞の一部を採取して染色体検査を行う着床前検査(PGT-A)を行うことが可能です。染色体数が正常なものをA判定、染色体異常と診断されたもの(モノソミー、トリソミーなど)をC判定、正常と異常が混在したものをモザイクと呼びB判定、染色体検査の結果が不明だったものがD判定(稀)に分けられます。この染色体異常の無いA判定の胚盤胞を移植すると年齢に関わらす妊娠率はおよそ60~70%、流産率は10~20%程度であり1回の胚移植あたり50~60%の確率で患者様は赤ちゃんを授かることが出来ます。年齢に関わらずと申し上げたのはA判定の胚を移植したら20歳代も43歳以上も同じ妊娠率及び流産率だからです。通常の体外受精においては年齢とともに妊娠率が低下し、流産率が上昇していくのは卵子の老化、胚の染色体異常の頻度が増していくためです。なお子宮は基本的に年齢が上がっても妊娠率は変わらないとされています。日本では認められておりませんが、海外では卵巣癌で両方の卵巣を手術でとってしまった患者様(子宮は残してある場合)は自分の卵子が無くなってしまったため第3者の若い女性の卵子とご主人の精子を使って体外受精を行い、受精卵を卵巣を手術で摘出してしまった患者様に女性ホルモン剤を投与しながら移植します。この場合20歳代でも40歳以上も妊娠率が変わらない事から子宮は歳をとらない、着床率は下がらないことが知られています。

 

Q17.29歳の結婚後2年です。赤ちゃんが欲しくて自宅近くの不妊治療専門クリニックを受診しました。受診してまもなく抗ミュラー管ホルモン(AMH)を測定し、「1.90だからあなたの卵巣年齢は大体38歳くらいです。気の毒です」と言われました。もうその病院には2度と行きたくありません。卵子が老化した私でもまだ妊娠できるチャンスはありますか?

A17.まず卵巣年齢を測定する検査として月経3日目の卵胞刺激ホルモン値(FSH),次にこのAMH,もう一つが卵胞期初期に経腟超音波検査にて両側卵巣の胞状卵胞数(AFC)をカウントする、この3つが代表的なものでAMHは血液検査のみで行えるので非常に有用な検査です。ただし、上記の医師の説明不足から患者様に誤解を与えてしまったようですが、AMHはあくまでも患者様の卵巣に残っている卵子の数を反映したもので卵子の質を反映したものではありません。卵子の質は一般的に年令依存性です。よってこの患者様の卵子の質は29歳相当です。AMHは主に体外受精における卵巣刺激法の決定に用いられ、低反応の予測、さらには体外受精の卵巣刺激の合併症の一つである卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスク予想に有用とされています。よって上記の患者様が初めて体外受精を行う場合、日本人の38歳の女性くらいの排卵誘発剤の量を使うことが目安にはなりますが、採れた卵の質、受精率、良好胚盤胞到達率、妊娠率、流産率は同じAMH値の38歳の女性より遙かに良好で、あくまで29歳相当です。よって十分妊娠は可能ですよ。

 

Q18.体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)はどう違うのでしょうか?

A18.体外受精とは通常は体内で行われる受精を体外で行う治療の総称で、卵子を体外で精子と受精させる治療の全てを含みます。顕微授精とは広義の体外受精の方法の一つですが、狭義では顕微鏡下に精子を卵細胞質内に直接注入する方法として体外受精とは区別されています。体外受精・顕微授精ともにタイミング法や人工授精などの一般不妊治療と区別され生殖補助医療(ART)と呼ばれています。一般に顕微授精は体外受精では受精障害がある場合(受精率20%未満)、運動精子数が極めて少なく体外受精での受精が期待されない場合、凍結精子を用いる場合などに有効です。

 

Q19.今回初めて体外受精をすることになりましたが、それまで夫は禁欲した方がよろしいのでしょうか?

A19.最近では、禁欲してなくとも大きな影響はないと言われています。しかしながら、当院では採卵の日が近づいたらご主人にはできるだけ禁欲していただくようにお願いしております。これは妊娠率を上げるためではなく、採卵当日にできるだけ容易にご主人に精子を採取していただくためです。採卵は朝から行いますので奥様には当日朝8:50までには来院していただくことになっております。ご自宅から病院までの移動時間を考えるとご主人には朝早く精子を採取していただく必要があります。女性にはなかなか想像がつかないと思いますが、男の人にとって朝に精子を採取することは夜に採取するよりも大変です。ましてや決まった日に決まった時間までに採取が必須だとなるとかなりの負担です。そのため、当院では採卵数日前(禁欲期間5日以内)からの禁欲をお勧めしています。

 

Q20.結婚3年になる32歳の女性です。夫は私より4歳年上で今年36歳になります。そろそろ焦りが出てきたので積極的に不妊症の検査、治療を行いたいと夫婦で話し合ったのですが、病院選びはどうすればよいですか?不妊症は男性側に原因がある場合も珍しくないと聞きましたので、泌尿器科もある総合病院のほうがいいですか?

 

A20.これまで、内科の先生が内科・小児科と看板を掲げて開業したり、あるいはもともとは外科医だった先生が外科・整形外科と看板を掲げて開業して内科医が小児科、外科医が整形外科の患者さんを診察したりしていました。しかしながら、これだけそれぞれの医療分野が高度、専門化し、細分化された現在では大きな総合病院に行っても内科という診療科はほとんど見ることはありません。そのかわり、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、血液内科などそれぞれの専門医がご自分の専門分野の診療にあたっています。産婦人科も同様で、最初は一通りの研修をしますので最低限の知識は皆持っていますが、不妊症が専門だったり、婦人科癌、周産期(産科)、女性医学(更年期)などそれぞれ専門とする分野が医師により異なっています。当院は日本生殖医学会が正式に認定した生殖医療研修認定施設ですので当然のことながら産婦人科医はみな不妊症治療に精通しております。ご質問があったように、不妊症の原因として男性側に原因がある場合が約24%、男性と女性両方に原因がある場合も約24%であり、不妊症カップルのおよそ半数は男性側にも何らかの原因が存在します。よって泌尿器科医の診察が受けられた方がもちろん良いです。ただし、前述したように泌尿器科医といっても腎臓がん、膀胱がん、前立腺がんなどの悪性腫瘍から排尿障害、尿路感染症などその分野は多岐にわたってます。よって泌尿器医だからと言って男性不妊症に精通しているとは必ずしも言えません。むしろ日本生殖医学会が認定している生殖医療専門医は産婦人科医に比べて泌尿器科医は圧倒的に少なく、全国的に男性不妊症を専門とする泌尿器医の確保が困難なのが現状です。当院では月1回から2回、日曜日に予約制で生殖医療専門医である泌尿器科の先生による診察および治療を受けることができます。すでに述べましたように男性側に不妊の原因が存在するケースが半数近く認められるため、最初にかかる病院選びは不妊症が専門の産婦人科を選択するのはもちろんのことですが、男性不妊が専門の泌尿器科医の診察も同様に受けられる施設を受診されることをお勧めします。

 

さくら・はるねクリニック銀座

院長 宮本敏伸

 

 

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